犬のお世話でお散歩が大変だと感じる方もいらっしゃると思いますが、犬にとってお散歩はとても重要な役割があります。
今回はお散歩の役割からお散歩デビューの時期、恐怖期といわれる時期と重なってしまった場合の対処法をお伝えします。
我が家の愛犬も恐怖期とお散歩デビューが重なってしまいましたが、今では問題なくお散歩出来るようになりました。
犬のお散歩の役割(意味)とは
本能的欲求を満たす
犬の本能には先祖と言われているオオカミに由来し、狩猟本能があります。
犬種により強弱はあるようですが犬には「臭いを嗅ぐ(捜索本能)」、「何かを追いかける(追跡本能)」といった本能があります。
もし犬が外に解放されたなら、一日の半分は臭いを嗅いだり何かを追いかけたりと、動き回って過ごすことでしょう。
飼い犬は一日中家で過ごしているので、刺激も少なく欲求を満たす事が出来ません。
お散歩に出て新しい刺激を受けたり、興味の沸くものや新しい臭いを嗅いだりすることで、この本能的欲求を満たすことが出来るのです。
ストレス解消
ストレスが溜まると物を噛んだり吠えたりなどの問題行動や、食欲不振や下痢などの身体的な影響が出ることもあります。
愛犬にこんな様子がみられたらストレスが原因かも。
犬もずっと同じ場所にいると飽きますし、退屈だと殆どの時間を寝て過ごしているのではないでしょうか。
お散歩で外の空気や景色を感じることは、気分転換になりストレス解消に繋がります。
人もそうですよね。
運動
犬の適正な運動量には個体差がありますが、
散歩の頻度と時間は、一日1回~2回、1回に15分~30分くらいが目安になります。
愛犬の疲れ具合をみながら時間を調整すればよいでしょう。
運動することは肥満防止や、足腰を鍛え筋力維持など健康で長生きするためにも重要です。
また、コンクリートなど硬いところを歩くと爪が削れ、爪きりの手間が省けるという効果もあります。
子犬の社会化
犬は元々警戒心や縄張り意識が強い動物ですが、これから生活していく社会でどう生きていくべきかを学び、社会性を身に付ける必要があります。
臆病になったり攻撃的になったりせず、人や周りのワンちゃんとも社交的に仲良く接してもらいたいですよね。
お散歩は外の空気や日光、風や音を知り、人や犬などと接する機会です。
何が危険で何が安全なのかを知ることで、自然と社交性を身に付けていきます。
犬のお散歩デビュー時期
この記事のメインテーマに関わる部分ですが、子犬の成長には社会化期や恐怖期があります。
犬は社会化期の過ごし方が性格におおきく影響すると言われていて、お散歩はこの社会化期に行きたいところ。
・・・なんですが、様々な病気感染リスクがあるため、
お散歩デビューはワクチン接種が終わって2週間くらい経ってから(生後3~4ヶ月頃)
というのが一般的です。
獣医師さんからお散歩許可の指示があったりします。
では、お散歩に連れて行きたい社会化期と、気になる恐怖期はいつなのでしょうか。
《社会化期》
生後4週~13週といわれ、この時期は好奇心いっぱいで怖いもの知らず。
色々なものに興味を持って、社会について学んでいく大切な時期です。
犬社会であれば母親や兄弟とじゃれあって、やり過ぎたら母親から怒られ、噛まれて痛ければ加減を覚えたりして学んでいきます。
この時期に出来るだけ社会と接し適応することが出来れば、愛犬も飼い主もストレスなく過ごしやすくなります。
後記しますが、お散歩デビュー前でも抱っこやキャリーに入れて外出する分には、病気にかかるリスクも少ないので、是非この社会化期に外界に連れ出してあげて下さい。
《恐怖期》
生後13週~12ヶ月の間に3週間くらいあるといわれ、時期には個体差があります。
好奇心いっぱいで怖いもの知らずだった頃から、警戒心や恐怖心が芽生える時期です。
この時に受けたショックな出来事はトラウマになる可能性が(ここ重要!)
お散歩で出会った犬に吠えられたり噛まれたりすると、犬だけでなくお散歩自体も怖くなってしまう可能性が。
社会化期の時は多少乱暴されても恐怖心自体が薄いので平気ですが、恐怖期に乱暴な目にあうと恐怖心が残ってしまうのです。
この時期の経験がトラウマになると、人や犬に対する警戒心で攻撃的になったり臆病な性格になるなど問題行動への原因にもなります。
お散歩デビューと恐怖期が重なってしまった場合の対処方
皆さんお気づきかと思いますが、ワクチン接種後のお散歩デビュー時期は社会化期を過ぎてしまい、尚且つ恐怖期と重なる可能性があります。
なるべくなら恐怖期に入る前に外界と接する機会を増やしてあげましょう。
不運にも恐怖期とお散歩デビューが重なってしまったら、ゆっくりでいいのでお散歩に慣れさせてあげて下さい。
うちの子もそうでしたが、お散歩に行こうと外に出た瞬間、座り込んで動いてくれませんでした。
新しい世界が怖くてたまらなかったようです。
《対処法》
・なるべく怖い体験をさせないこと
お散歩しているワンちゃんに出くわしたら、そのワンちゃんが吠えなさそうか、様子を見て近づくようにして下さい。
・喧嘩にならないような犬と挨拶させてあげる
相手のワンちゃんも挨拶する体制なら、ゆっくり近づいて挨拶させてあげましょう。
・怖くて動かない時は無理に引っ張らず抱っこしてあげる
座り込んで動かない時はしばらく抱っこして歩き、少し歩いたらまたおろして自分で歩かせてみましょう。
・他の人に会ったら挨拶をし、安心させてあげること
人は怖くないと安心させるために、家族だけでなく他人と接する機会も増やし慣らしましょう。
これを繰り返すことで、社交性を身につけ警戒心や恐怖心などのストレスからも解放されていきます。
愛犬の気持ちに寄り添うことでパートナーとしての絆も深まりますし、
本来、犬はお散歩が大好きなので楽しくお散歩が出来るようになりたいですね。